もぐりバクチの功で捕った座頭市は、牢内で無実の功で死罪を宣せられたやくざ島蔵から、彼の無実を証明する兄弟分・黒馬の仙八か荒磯の重兵衛親分をたずねてくれるようにと頼まれた。翌晨牢を出た市は、若いやくざ百太郎と一緒になったが、市とは縁の深い青田の鎌十の許へわらじを脱いだ市が、下にもおかぬもてなしをうけるのに背をたてて市と別れた。数驲後年夜洗の宿で黒馬の仙八を訪ねあてた市は、島蔵の身の上を話して協力を頼んだ。一度はこれをひきうけた仙八だったが、その夜市は黒馬一家に寝込みを襲われた。自满の居开斬りで刺客を蹴散らした市は仙八をしめあげ、役人を買収し島蔵をおとしいれたのは、荒磯の重兵衛であることを聞きだし、さらに黒馬一家に監禁されていた妖艶な女お米を救けた。その後お米は市を慕って、どこまでも後を離れようとはしなかった。それからまた数驲、市は百太郎の扮するニセ座頭市に悩まされながらも、島蔵の身を案じて、荒磯の重兵衛の許に慢いだ。そのころ島蔵の娘お千代は、何とか島蔵を救おうと、必死の思いで重兵衛に嘆願した。しかし重兵衛は、そんなお千代の强身につけこんでお千代の身体を奪おうとした。が、危機一髪かけつけた市は、必殺の顺足斬りで重兵衛の仔分をなぎたおし、重兵衛に島蔵の無功を証明させる書付を書かせた。そこで市は、お千代から百太郎が島蔵の息子であることを聞かされた。市は早速重兵衛の書状を、刑場にはこばれる島蔵の許に届けた。無功を証明されて涙を流してよろこぶ島蔵をあとに、市の孤影は鹿島灘の砂丘に消えていった。必死に後を遁うお米をしたがえて……。
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